どーなってるの?
講師の頭の中blog
全体的に考えてみる。Part2
2022/11/27

こんにちは、宮川です。
前回は
「自分にできることは、他の人も普通にできると感じてしまう錯覚」
についてお話ししました。
今回はその逆、すなわち
「自分にできないことは、他の人も普通はできないと感じてしまう錯覚」
についてお話ししてみようと思います。
これ、実は受験勉強において結構足を引っ張る錯覚だったりします。
勉強をしています。
問題を解いています。
…全然分からない。
分からないので答えを見る。
解説を読む。
…やっぱり全然分からない。
よくあることです。
初めて勉強する内容であれば、当然のことです。
こういう時に、先ほど出てきた「錯覚」が強い人は、ついこう考えてしまいます。
「解説を読んでもサッパリ分からない…ということは、他の人だって分からないはず!」
もちろん悪気は全くありません。
ただ自分が分からないというだけで、自然にこう考えてしまうんです。
だけど、そうなると当然、
「だからこの難しい問題はやらなくてもいい!あと回しにしてもいい!」
なんて考えちゃうんです。
暗記でも同様で、
「自分が覚えられないものは、他の人も覚えられない」
なんてつい考えてしまいます。
「助動詞の活用?この表全部?ムリムリ!覚えられるわけないって!」
高校時代の僕は、こんな事を考えて古文を諦めました。
結果として自分が伸びるチャンスを自分で潰してしまったといえます。
ここで全体的に考えてみましょう。
もしその難しいと感じる問題が本当に
「ほとんどの人ができない問題」
「ほとんどの人が覚えられない問題」
であったとしましょう。
で、そんなの問題を出す側が受験で出題すると思いますか?
だって出題してもほぼ全員が答えられないんですよ?
そんなの出題するだけ無駄ですから、当然出るわけありません。
そして受験で出ない問題が、問題集に出てくるはずもありません。
逆に言えば、問題集に出てくる以上、それは「バランスのいい問題」なんです。
バランスがいいというのは、「できない人」もそれなりにいて、「できる人」もそれなりにいるということです。
その比率が5:5なのか4:6なのかは分かりませんが、
少なくとも「きちんと時間を掛けて勉強をした人ができるようにならない問題」なんて
受験では絶対に出てきません。
「この表は覚えなければならない」
と書いてあったら、当然「すぐには覚えられない内容」です。
だけどきちんと時間をかけて練習したら「絶対に覚えられる内容」なんです。
受験とは、そういう「バランスのいい問題」だけが出題されるんです。
初めて学習する内容が一度や二度読んだだけで簡単に理解できるはずがありません。
さらっと読んだだけで簡単にできるようになる問題が受験で問われるはずもありません。
だってほぼ全員が正解できちゃうんですから。
やっぱりこれも出題するだけ無駄になってしまいます。
つまり、受験勉強って
「一度や二度じゃ簡単には理解できない、覚えられない」
「だけど、ある程度時間をかけて練習すれば必ずできるようになる問題」
そんな「バランスのいい問題」しか出てこないということです。
そういう視点を持つことができると、多少は気が楽になります。
全体的に考える習慣が付くと、自分の「錯覚」に気づきやすくなります。