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ウェイソンテスト
2021/10/24

ちょっと頭の体操をしてみましょう。
まず4枚のカードがあります。
各カードには表と裏にそれぞれ印刷がされており、
表側にはアルファベットが1文字、裏側には数字が1つ書かれています。
そのカードが4枚机の上に並べてあって、順にA、F、3、4と見えています。
そこである人がこう言いました。
「この4枚のカードですが、表が母音のカードは、裏面が必ず偶数です」
この人の言っていることは本当かもしれないし、嘘を言っているのかもしれません。
さて、この人の言葉が本当かどうかを確認したいのですが、
もちろん無駄な動作は避けたいので、確認する必要の無いカードを選んではいけません。
最低限ひっくり返す必要があるカードはどれでしょうか?全て選んで下さい。
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それでは正解です。
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正解は「A」と「3」でした。
「F」は見ても仕方が無いのは分かりますが、「4」も見ても仕方がありません。
このカードが「母音/4」でも「子音/4」でも嘘を言っていることにはならないからです。
でもAと3は確認が必要です。
「A」の反対側が本当に「偶数になっている」か?
「3」の反対側が本当に「偶数になっていない(=奇数)」か?
これらを確認しなければ、言っていることが本当か嘘かの判別できません。
これはウエィソンテストと呼ばれる実験で、ウエィソンの研究による正解率は10%未満だそうです。
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さて、では別の例を考えてみましょう。
酒場に4人のお客さんがいて、飲み物を飲んでいます。
もし未成年がお酒を飲んでいた場合、お店としてはそれを止めなければ
営業停止になってしまいます。
4人の状況は以下の通りでした。
客A.ビールを飲んでいる、年齢は不明
客B.ジュースを飲んでいる、年齢は不明
客C.年齢は未成年、何を飲んでいるか見えない
客D.年齢は大人、何を飲んでいるか見えない
さて、酒場の店員として年齢や飲み物の確認が必要な人は誰でしょうか?
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正解はもちろん客Aと客Cになります。
こっちは簡単だったと思います。
だけど実はこの問題、最初にお話しした4枚のカードの問題と論理構造は全く同じになります。
「母音のカードであれば、反対側は偶数でなければならない」
「ビールを飲むならば、大人でなければならない」
ということなので、
「ビール=母音、ジュース=子音、未成年=奇数、大人=偶数」
と置き換えれば全く同じ問題となります。
なのに分かりやすさが全然違うのは、具体的か抽象的かというところだけ。
イメージがつかめているかどうかで、「分かりやすさ」は大きく異なります。
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「勉強って難しい」
そういうイメージを持っている人は沢山いますが、
適切な例やイメージがあれば、簡単に理解できる内容も多いものです。
たとえば化学を勉強する際に、
「弱酸の塩に強酸を加えると、強酸の塩ができて弱酸が遊離する」
と言われても最初はなかなかピンときません。
ところが、
「よし、じゃぁこう考えてみよう。」
「ダメ男と一緒にいる女の人が、イイ男を見つけたらそっちに乗り換えてダメ男は捨てられる」
と伝えると、誰もが理解してくれます。
適切な例やイメージは、「勉強嫌い」を克服する一つの手段となります。