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もも肉かむね肉か…それが問題だ
2020/11/22

本日スーパーに行ったところ、鶏肉がとても安くなっていました。
「もも肉」が100g76円、「むね肉」が100g38円という大特価。
ということで、今日は唐揚げですね。
小学生の頃、給食の唐揚げが嫌いでした。
衣が全然カラッとしていなくて
ベチョッとした衣、そしてグニョッとした鶏皮が苦手だったんです。
とりの唐揚げ自体は昔から大好きでした。
ちなみに鶏皮も昔から大好きです。
焼鳥でも、よく炙って油を落とした鶏皮なんて最高ですよね。
だけど、給食の唐揚げは苦手だったんです。
僕が通っていた小学校には給食室がありました。
セントラルキッチンではなく、学校で給食を作っていたため
暖かい作りたての料理を食べられたのは幸せだったのかもしれません。
しかし、カラッとした唐揚げを作るためには「二度揚げ」が必要になります。
常温に戻した鶏肉を一度目は低温でじっくり調理し、
揚げた後は余熱で中までしっかり火を通す
そしてその後、高温にした油で二度揚げをして衣をカラッとさせる。
これが理想ではあるのですが、限られた時間とスペースで調理をする関係上、
さすがに給食でこれを行うのは難しかったのでしょう。
そういう意味では唐揚げは被害者であるともいえます。
単に「給食」との相性が悪かっただけなのですから。
唐揚げといえば「もも肉」か「むね肉」かが問題になります。
一般的には「もも肉」の方がジューシーで美味しい。
一方、「むね肉」は油が少なくヘルシーで安いものの
肉がパサパサとして味が落ちる…というのがよくある評価かと思います。
だけど僕は「むね肉」の方が好きなんです。
もも肉で作った唐揚げは、鶏の油の独特の臭みが出やすくなります。
丁寧に下処理をすればある程度押さえられるんですが、この下処理がホントに面倒なんです。
臭みの原因は黄色い皮下脂肪なんですが、もも肉はお肉に皮がぴったりと付いていて
この皮下脂肪を取り除くのが大変なんです。
一方、むね肉は、簡単に皮をはがすことができます。
そして「むね肉から揚げ」の唯一の弱点である「パサパサ問題」については形状で解決です。
すなわち、もも肉の唐揚げのように1つ1つを大きなブロックにするのではなく、
平らに、もしくは細長く切ることで、パサパサ感を減らすことができます。
そもそも揚げ物なんですから、ジューシーさは衣に任せて、
肉は「うまみ」に集中させようというのが、僕が唐揚げを作る際のコンセプトになります。
こうやって作った「むね肉の唐揚げ」は、お肉に皮や脂肪が付いてないため、
「冷めても、あるいは冷たくても美味しい」唐揚げになります。
「むね肉」を使って「もも肉のから揚げ」のマネをしたところで、
それはパサパサして「下位互換」になるのは仕方がありません。
しかし、もも肉にはもも肉の、むね肉にはむね肉の、
それぞれに適した形状や調理法があります。
そしてそれを追求するのが料理の面白さだと思います。
「もも肉」は確かにジューシーで美味しい。
しかし「むね肉」は「もも肉」の「下位互換」ではありません。
料理によっては「むね肉」だって「もも肉」から「鶏肉独特の臭み」を除いた「上位互換」にもなるんです。
どちらが上とか下ではなく、それが個性というものでしょう。
以上、独断と偏見に満ちた唐揚げトークでした。